高気密・高断熱住宅とは?具体的なメリット・デメリットを知ろう!

公開日:2022/11/15  


近年ではWEBやチラシ、パンフレットなどで高気密・高断熱住宅という言葉を見る機会が増えてきました。しかし、省エネ効果があったり、光熱費を節約できたりする以外にどんなメリット、またはどんなデメリットがあるか知っている方は少ないでしょう。そこで今回は、高気密・高断熱住宅について詳しく解説。家づくりの参考などにしてください。

高気密・高断熱住宅とは?

まず高気密と高断熱、それぞれの特徴について説明します。

高気密住宅とは

高気密住宅とは、壁や天井、床、窓枠などの隙間がほとんどない家のことを指します。高気密住宅は家全体の断熱性能を高め、外の空気を家の中に取り込まず冷房や暖房を外に逃しません。気密性の高い建築素材やテープ、防湿シート、断熱材などを使用するため、夏は涼しく冬は暖かく過ごせる気密性の高い家になります。気温の変化があまりなく年中快適に過ごせるのが特徴です。

高断熱住宅とは

高断熱住宅とは、家の中の熱を逃がさず、外の熱を入れない家のことです。断熱性の高い窓や外壁と内壁の間に断熱材を入れることにより、家自体の断熱性を高めることができます。夏の暑い空気などを断熱すれば、部屋の中を涼しく保つてるので快適です。また、空気が外に出にくくもなるので、冬は暖房の温かい空気を部屋の中に保てます。

高気密・高断熱住宅を建てるメリット

高気密・高断熱住宅にはどのようなメリットがあるのか、いくつか説明します。

光熱費を節約できる

気密性の高さにより外からの空気を遮断し家の中の空気は外に逃さないため、家全体の温度を一定に保つことができます。それにより、冷房でも暖房でも必要以上につけなくてすみ、家全体の気密性が高ければ少しの風でも効率よく家全体に行き渡るため、光熱費を節約でき省エネにもつながるので一石二鳥です。

ヒートショックの予防につながる

気温差があると起こりやすいのがヒートショックです。温度差がある部屋から部屋に移動した際、体が急激な温度変化にびっくりして血圧や脈拍が乱れることにより、脳卒中や心筋梗塞を引き起こしやすくなってしまいます。とくに多いのが冬のお風呂場です。お風呂場から温まった体のままとても寒い脱衣場などに出た際に起こりやすいため、冬場は注意してください。ヒートショックを防ぐにも、家全体の温度を一定にするのはとても大切です。

防音効果もある

家全体の気密性が高いので、空気だけでなく音も外へ漏れにくくする効果があります。内壁と外壁の間に断熱材がある場合は音を吸収してくれる防音効果があり、生活音によるトラブルを防ぐ効果もあるのがメリットです。

高気密・高断熱住宅を建てるデメリット

高気密・高断熱住宅にはどのようなデメリットがあるのか、いくつか説明します。

建築費用が高くなる

高気密・高断熱住宅は、建築費用が高くなってしまうのがデメリットです。断熱材や気密性があるテープ、窓や壁の使用、気密性が高い家を建てるための設計や工事の仕方などにより、普通の家を建てるときよりもコストがかかってしまいます。

各メーカーにかかる費用は異なるため、複数のメーカーを見比べてみるのがおすすめです。省エネや光熱費の節約につながるため、多少コストが高くても許容できる範囲に収まるかもしれません。

壁の内側に結露が発生する

高気密・高断熱住宅は家全体の温度が一定に保たれるため、家の中で結露が発生することはあまりありません。しかし、まれに壁の内側に結露が発生する場合があります。柱と断熱材の間に隙間があると、その部分の温度が下がり結露が発生する原因になり、柱を腐らせるだけでなく家全体にも影響が出てくるので、壁だけでなく床下にも防湿層や通気層を設置するなどの対策が必要です。

高気密・高断熱住宅を建てる際に注意するべきポイント

高気密・高断熱住宅を建てる際に、知っておきたい注意点やポイントを紹介します。

気密測定を行っている業者か確認をする

高気密・高断熱住宅を建てる際は、気密測定を行っている業者か確認をしましょう。専用の機器を使って隙間がある面積を計算し、どのくらいの空気が部屋へ侵入するかしっかりと調査するため、専門の業者でないときちんとした気密性があるのか確認がしにくくなります。気密性も断熱性も高い家を建てるには専門の業者を選ぶようにし、気密測定も行いましょう。

換気のシステム選びに注意する

ウイルスやハウスダスト、カビなどの有害物質はアレルギーやぜんそく、くしゃみなどの原因になる場合があるため、それらを家の外へ追い出したりするシステムは、気密性が高い住宅にこそ必要になってきます。高気密・高断熱住宅には24時間換気ができるシステムの導入が義務化されているため、給気と排気を行う方法か、室内の空気を外へ排出する方法か、排気のみを行う方法かなど選ぶ種類にも注意が必要です。

まとめ

高気密・高断熱住宅は、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせます。しかし、どのように建てるかによって毎日を快適に過ごせるかが決まってきます。高気密・高断熱住宅は気温の変化に左右されず過ごせるだけでなく、気温による体への影響や変化にも対応ができ、温度差によるヒートショックなどの思わぬ事故を防ぐこともできます。これから家を建てる方は費用や自分たちが建てたい家の理想やプランと照らし合わせてみながら、ぜひ家づくりのひとつの参考にしてみてください。

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